2006 年07 月31 日
「ヨコハマメリー」
ヨコハマは伊勢崎あたりに出現していた白塗り&白いドレスの老婆、あるいは「ハマのメリーさん」「ホワイトさん」として、ほとんど都市伝説と化していた実在の人物のドキュメント。いやあ、なかなかイイ映画です。なぜかシネモンドも6〜7割の入り。こんなに入ってたのは市川雷蔵祭以来では…。ホント座るとこがなくてビックリしました。凄いぜメリーさん!
内容は、メリーさんとゲイのシャンソン歌手の元次郎との交流を中心に、ヨコハマの裏の歴史を描いたような感じ。客の半分がヤクザで残り半分は警察といわれた酒場「根岸屋」や終戦直後の混乱期に外人墓地にたびたび捨てられていた混血児の赤ん坊の遺体の話(その数800体!)など印象的だ。
さらに、一般人が売春婦・パンパンとしてさげすむ一方で、芸術関係の人々がオペラやミュージカルの初演に現れると必ずその舞台は当たるとか、舞踏家にインスピレーションを与えたとか、一種のマスコットとしているところが面白い。聖と俗あるいは聖と穢れをメリーさんに一身に体現しているようで非常に興味深く、感動的だ。
あと、メリーさんの素顔も単純にゴシップとして面白い。意外と律儀であったり、声がマンガ声であったり、白塗りを落とした素顔は普通、というか、けっこう品があったりとか「へえ〜」の連続である。また、生活をバックアップしている善意の人たちがいたりするところなんかはホロリとさせる。
単純に見ても面白く、深読みもできるイイ映画です。
どんでん返しというわけでもないけど、ラストはビックリ。ああ、ええ話や…。
投稿者:親方
at 04 :18| 映画
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