2007 年03 月19 日
「エンロン」
いやはや、凄いッス。映画が凄いと言うよりエンロンが凄い。もう、開いた口がふさがらないというか…。
なかでも、「時価会計」のくだりが凄くて、計画中のプロジェクトが将来上げる予定の利益まで会計に繰り入れてしまうというのがビックリ。映画のHPによると、普通は株の終値などマーケットの評価で時価が決まるものらしいが、エンロンの場合、評価ができる第三者や指標がなかったため、自己申告で時価を出していたとのこと。いわば「こうなったらいいな〜」みたいな将来予測で時価を決めてたということで、粉飾というより空想の世界だ。
さらに損失を子会社に付け替えたり、株のアナリストに提灯記事を書かせたり、銀行や会計事務者を抱き込んだりした上、電力価格をつり上げるためカリフォルニアで電力危機を起こしたりとやりたい放題。もうメチャクチャ。
で、その目的が株価を上げるため。
ほとんど実績が上がってないにもかかわらず、空想である未来の利益と損失隠しで、数字上の会社の利益を膨大なものにして株価をつり上げてゆく。「買うならエンロン株、損はさせません」という尻から、やばくなってくると幹部達はとっとと持ち株を売り抜けて、億単位(しかもドルで!)の利益を上げる。もう、市場の信頼性とかあったもんじゃない。
まあ、規模ややり口のあくどさは及ばないけど、ライブドアもこんなノリだったのかなと思う。「金儲けは悪いことですか?」なんて言ってた人もいたけれど、ついつい悪いことして金儲けしちゃう方向へいっちゃうんだよなあ…。
ちなみにこの映画、最低限の説明は映画の中でなされるので、経済オンチでも理解可能だが、それでも、Wikipediaや映画のHPで予備知識を得ておくのが良いと思う。
投稿者:親方
at 03 :45| 映画
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