2007 年06 月21 日
「大日本人」
いや、こういう言い方もナンだけど、前評判ほどひどくないッス。いや、むしろ面白い。というか、結構好きです。しかし、怪獣ものとは思わなかったなあ。あちこちで叩かれたのは、やはり秘密主義の売り方が問題だったんだと思う。せめて形式的なジャンルくらい明かしておかないと観客も心の準備ができないと思うが…。
まあ、松本人志には「頭頭(とうず)」なんてビデオもあり、期待よりも不安の方が大きかったので、その分、大いに楽しめた。
特に、主人公「大佐藤」のダメというか、落ち目というか、本人は真面目に誇りを持って仕事をしてるのに、すっかり落ち目扱いな感じがイイ。
CGもリアルさと馬鹿馬鹿しさのバランスがなかなかいいし、CG大佐藤の表情も捨てがたいが、やはり松本人志の強烈な妄想力によって構築された、あり得ない&よく分からないのに妙にリアルな「大日本人」という「職業」と大佐藤のキャラクターが見所の映画であろう。
松本人志も最初は違和感があるが、別居中の子供と会う前日にはしゃいでいる姿なんかは、いい味だしてる。しかし、一方でぎこちない感じの標準語をしゃべっているのは、いかがなものか。狙った演出と思うが、過度に胡散臭くなったのと、細かいニュアンスが伝わりにくかったような気がする。いっそ東京芸人か俳優にやらせても面白かったかも…。
あとラストもチョット唐突。もっとしっかりと伏線を張るべき(同業者うんぬんがもしかして伏線?)。また、これも狙った演出だと思うが、延々といじめのようなシーンが続くのはチョット辛い。コンセプトは分かるのだが、もうちょっとソフティケートされた形にならなかったのか…。
でも、祖父との思い出から自衛隊が大佐藤を包囲し突入し始めるシーンはなかなかよかった。中村雅俊の歌が入り、ベタな感じでニヤリとしたところで、緊迫した(チョット大げさな感じだが)シーンに移行するのが他にはない味で、さすがと思わせる(まあ、とまどう人の方が多いかもしれんが…)。しかし、ここなんかも、自衛隊が突入するような伏線を張っといた方がよかったような…(マネージャーが妙に羽振りが良かったのが伏線?)。
まあ「ヒーローの日常」というのが主題らしいが、サブテーマは「落ち目」みたいな気もする。もしかすると松本人志は「落ち目」って結構好きなのかも(Mらしいし〜)。
投稿者:親方
at 02 :35| 映画
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